2012年 08月 06日
イエという生き物
インテリアコーディネーターとして住宅の仕事に関わるようになって18年が経ちます。
私たちは、ずっとそのお客様が住まれることを想定して家の打合せを重ねていきます。
当然お客様ご本人も大抵の場合そうだと思います。
「今は大きな一部屋にしておいて、子供が少し大きくなったら壁を作ろう」
「子供が独立して出て行ったら、壁を取り払ってこの部屋を広く使おう」
だからこそ、家のこんな未来像にまで話が至るのです。
けれども、実際には様々な事情でその家を手放される方もいらっしゃいます。
うちはダンナさんも住宅関係の仕事をしているのですが
10年ほど前のお客様が、このたび家を手放されることになりました。
会いに伺ったダンナさんへ、その方はこう言われたそうです。
「〇〇さん、今まで色々と有難う。この家で、いい思い出がたくさん出来たよ。」
泣けました。
普段あまり多くを語ることのないダンナさんが、わざわざ私に話して聞かせたのは
やはり胸が詰まったからだと思います。
家も人と一緒に生きているのだと思います。
人が住まない家は傷むと昔から言われますが
風が通らず湿気がこもって建材が劣化・腐敗するという物理的な側面以外にも
その理由はあるのではないかと思っています。
人の住まない家には生気が宿りません。
単なる建造物としてのイエは朽ちていくのも早いということなのではないのでしょうか。
いい思い出がたくさん出来たよ・・
その方の家もきっと、同じように思っているに違いありません。
クリックありがとうございます♪
by gio06
| 2012-08-06 11:48
| 思うこと